時間→深夜、夜勤中
場所→作業場、班長机
登場人物→石崎、西田
班長キレてるぞ
僕は班長として、空いた時間には各行程の様子を見に行ったりする。
ある工程で不具合を見つけた。
このままだと不良品を作ってしまう。
それに気づき担当者を探す。
探すがいない、戻ってくるのを待とう。
他の工程も確認しながら、担当者が戻っていないか気にするが戻っていない。
う〇こでも長いぞ。
あの野郎どこだ。
前にミスしてあれほど言ったのに同じミスをしている。が、今はまだ修正がきく状態だ。
ミスを修正しておく。忘れないうちに修正はした。このままの状態なら進めて大丈夫だ。
しかし、石崎を怒鳴り散らかしてやろう。
別の担当者を見つけた。
ぴーすけ「西田、石崎はどこおるん?」
西田「自分の工程にいないんですか?」
ぴーすけ「おらんのんよ。」
西田「見てないですよ、休憩室にもいませんでしたよ。」
ぴーすけ「石崎に会ったら言っといて。前にあれだけ言うたミスまたしてる。修正はしたけど、班長がキレてるからすぐ班長の机に来いって。」
西田「またやったんですか、分かりました。」
西田は石崎と同期で石崎より仕事が出来る。
数分後、石崎が慌てて走ってやってくる。
顔もこわばっている。西田がちゃんと伝えたのだろう、もしくは少し大げさに。
さて、なんて言い訳をするだろうか。
石崎は太っている、息があがりそうなところで到着する。
ぴーすけ「われ、何で呼ばれたか聞いたか?」
石崎「班長、ちょっといいですか?」
ぴーすけ「なんか?」
僕はいらついている。
石崎「…僕、今の彼女と結婚することになりました。」
パニック。
ぴーすけ「はっ?今?なんで?」
石崎「西田から聞きました。前と同じミスして班長がキレてるって。それを怒られない様にするにはこれしかないって。次怒られる時の為にとっておきました。」
ぴーすけ「それ言うんじゃ。…んふっ」
不覚にも笑みがこぼれた。
怒られまいとネタを取っておいた事、それを正直に言った事、この先これ以上に怒った時、何を差し出すのか。
いろいろ頭をめぐって考えたら笑えて、怒る気も失せた。こいつの思うツボだが、笑っちゃもう怒れない。
ぴーすけ「おぉ、おめでとう、あのミス気をつけろよ。ほんでどこ行っちょったん?」
石崎「う〇こしながら彼女と電話でケンカしてました。」
ぴーすけ「し〇!ばか!」
のちに西田に向かって石崎がガッツポーズをしていた事を西田が班長にちくり、石崎は怒鳴りちらかされた。
ポイント①
後輩にはやられましたが、笑ってしまうともう本気では怒れません。
逆に怒る相手を笑わせると怒られないという事。
怒っている程度にも、怒る相手のキャラにもよりますが…。
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