欲しい言葉を一旦あげない

登場人物
石崎→後輩   ぴーすけ

場所→作業室

時間→就業中

目次

結局見た目なんですか?

石崎「最近、彼女とうまくいってないんですよ。」

ぴーすけは作業中忙しいながらも後輩の石崎が悩んで話しかけてきたので、作業しながら話す。

石崎は彼女と喧嘩中らしい。石崎はぽっちゃり体系だが明るく可愛い彼女もいる。

しかし、だいたい分かる。原因は恐らくこいつだろう。一応聞いてみる。

ぴーすけ「何があったん?」

石崎「話し聞いてくれます?」

嫌だと言ったとして、すんなり自分の持ち場に戻るとは思えない。

ぴーすけ「もう、ええけえ、何なんよ?」

石崎「僕が悪いんですけどね、…」

やはりだ。

原因は割愛するが、大体こいつが悪い。

それでも可愛い後輩とは思っている。嘘も付かずに正直に話す所は可愛いげがある。

ああ、話を戻そう、どうやら落ち込んでいる様だ。

石崎「僕の良いところってどこなんですかね?」

女の子ならまだしも、男からこのセリフを聞くとは。

どうせ、内面の良いところを褒めて貰って、安心したいのだろう。優しいだとか、か?

一旦おあずけして、さらに落としてやろう。

ぴーすけ「んー、石崎って肌キレイなよね。」

石崎からすれば、まさかの回答だろうな。何年も一緒に仕事してきて、まず出てくる良いところが肌がキレイ?

他はそれ以下かよって思ってるだろうな。

石崎「えっと、他には?」

かわいそうだが、僕の悪い癖だ、もう一回落としてやろう。

ぴーすけ「えっと、他?…爪がキレイ!」

白々しく思い出したように答えた。

思わず石崎も言う。

石崎「結局見た目なんですか?!」

泣きそうになっている。そうだ、こういつは本気でこういう時に泣くやつだった。

しかし、言い返さねばならない事がある。

ぴーすけ「結局見た目なんですかってセリフは、見た目が良い人が言う事じゃ。勘違いすんなよ!」

ああ、しまった。勢いで言ってしまったが、ここまで追い込むつもりではなかった。

そろそろ涙がこぼれそうなので内面の良い所を挙げてやろう。

ぴーすけ「さっきまでのは冗談じゃ。お前のええ所は、一番は正直な所って思うよ。
     ちゃんと話せば分かってもらえるわ。ちゃんと話せーよ。」

石崎もやっと安心したような顔になった。

ポイント①

相手が欲しがっている事が分かった時、あえて欲しがってない別の事を言ってみる。

この時笑い目的でなくて他にも挙げる意外な所があるならそれも、相手の心に残る。

笑い目的であって、おちゃらけても、本当の良い所を挙げた時、普通に言っただけより、何倍も印象に残るし、嬉しい。

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